アート

テキスタイルデザイナー・サトウアサミさんインタビュー「見たことや考えたことが私というフィルターを通して作品になる」

テキスタイルをはじめアートワークやイラスト、ロゴデザインなどさまざまな活躍を見せるサトウアサミさん。今回はデザイナーの道に進んだきっかけやテキスタイルデザインを始めた経緯などお話を伺いました。

〜つくることで自分も周りもうれしい気持ちになる〜

デザインの仕事をしようと思ったのはいつ頃ですか?

物心ついた頃から意識していました。

そのきっかけがあれば教えてください。

両親がデザインの仕事に携わっていたこともあり、つくることに距離が近く、それをすることで自分も周りもうれしい気持ちになることに自然と気づいて、興味を持ったのかなと思います。

ご両親はどんなお仕事をされていたんですか?

父は建築デザイン、母はパース(建築物の完成予想図)を描く仕事などをやっていました。

初めて依頼を受けたお仕事を教えてください。

札幌のイタリア料理店の看板のデザインでした。

短大2年生のとき初めて個展をひらいたのですが、その際に来ていただいた方からのオファーでした。
当時私がアルバイトをしていたスポーツクラブの会員さんが、個展を見に来てくれて作品を気に入ってくださいました。
その方がコックさんで、お店の看板のデザインをさせていただくことになりました。

〜より意識していたイメージに近づけたい〜

テキスタイルデザインを始めたのはいつですか?

(上記にもありました)初めての個展をひらいた頃、テキスタイルデザインというお仕事があることを知り意識し始めました。

2011年に拠点を東京に移した頃にシルクスクリーンの工房に通い、製版からプリント、剥離までひと通りの作業をさせてもらい、具体的に制作に取り組みました。

『サトウアサミデザイン事務所』という屋号でデザインの仕事をしながら、それと並行して生地のプリント作業を行なっていましたが、より意識していたイメージに近づけたいという気持ちが強くなり、2015年に『ASENDADA(アセンダダ)』を立ち上げました。

現在は神奈川と京都の捺染工場にプリントをお願いして、生地をつくっています。

シルクスクリーンの工房での作業は手作業(手捺染)だったんですか?

はい、手捺染です。版を再利用するための剥離作業に始まり、製版〜プリントまで自分で行います。布専門の工房ではないので、平らなテーブルの上で工夫しながら生地にリピートでプリントしていました。考えながらだったり作業が上手く進まなかったりで、3mを刷る一連の作業だけでも数ヶ月かかったりしましたが、大変勉強になり重要な時間でした。

現在生地の製作を依頼されている神奈川と京都の捺染工場も手捺染なのでしょうか。

基本的に手捺染がメインですが、図案により手捺染かデジタルをその都度合う方法で依頼しています。

『アセンダダ』響きが面白いですね。名前の由来を教えてください。

エストニア語で「置き換える」という意味です。
普段の日常に歩き見たことや考えたことなどが蓄積されて、その感覚が私というフィルターを通して何らかのものに置き換わって作品に反映されているなーと思い「置き換える」というキーワードで色々探してみました。

この言葉を知ったときに、スペルや響きが求めていた雰囲気とマッチしていると思い採用しました。

作品をつくる上で気をつけていること、意識していることはありますか?

下描きもしないので、意識してしまうと変な感じになってしまいます。(笑)

クライアントさんのいるお仕事のときは先方のご意見や目的などを聞きながら、それに私のテイストを合わせるような感覚で進めています。
自分勝手な気持ちだとそれが表面に出てしまいますし、言い方が変ですが聞き分け良すぎるのも違うような気がしています。
その辺りのバランスは気をつけるようにしています。

自分で描いたり刷ったりする作品のときは無の感じでやっていますが、どこかで自分なりのバランスは意識しているのかもしれません。

(ちょっと脱線しますが)インスタグラムを拝見しました。猫ちゃんたちがとても可愛いですね。

4匹いましてメンメ、オック、デッコ、モフです。モフは女の子で、他3匹は男の子です。みんな8歳前後です。

2011年に東京に来たときに多摩川の近くに住んでいたのですが、猫が多いエリアだったのか引越し早々ベランダに野良猫がやってきて。(東京に来るまでは)ずっと猫のいる生活だったので寂しかったのですが、それでうれしくなって。

それから何匹も入れ替わり立ち替わり遊びに来るようになりました。
ある日突然赤ちゃんだったメンメたち3兄弟が心を決めたように家の中に入ってきて、それから我が家の猫に。
モフもその後仲間入りして合計4匹です。

急いで多頭飼いができるマンションを探して、今のお家に引っ越してきました。

今後やりたいことがありましたら教えてください。

昨年『ASENDADA』の事務所が出来ました。ここがショールームとしても機能しているのですが、生地が増えてきたのでディスプレイの仕方をゆっくり考える時間がほしいなと思っています。


今回は新型コロナウイルス感染拡大防止のためメールでインタビューにお答えいただきました。丁寧にご回答いただき本当にありがとうございました。

ASAMI SATO
http://satoasami.com/

ASENDADA(アセンダダ)
https://asendada.com/